自分育て

「大雨時行(たいうときどきふる)」#58

2023年8月2日 、
夏最後の節気「大暑」の
末候「大雨時行(たいうときどきふる)」になりました。

24個の節気の中の15番目「大暑」
72個の候の中の45番目「大雨時行(たいうときどきふる)」

※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
ご了承くださいませ。

「大雨時行(たいうときどきふる)」

「大雨時行」は夏の最後の候で、
その名の通り、長雨ではないが局地的に激しい雨に見舞われる時期です。

この時期は空気が不安定であり、
湿度が高いことから急な雨が降ることがあります。
その激しい雨は大地を潤し、生命を育む水源となります。

この候は、夏の最終段階を告げるものであり、
秋への移行を予感させます。

そういった意味では、一つの季節の終わりを示すと同時に、
新たな季節の始まりをも予告する象徴的な候とも言えるでしょう。

分かれ目

「夕立は馬の背を分ける」という古い言葉は、
局地的に降る夕立の特性をよく表しています。

同じ地区でも一部では激しい雨が降り、
すぐ近くでは全く雨が降っていないという状況を描いています。

この表現は日本の夏の終わりの特徴を見事に捉えており、
大雨時行の季節感を表現しています。

この分かれ目というのは、
私たちには抗えない自然の力で発生します。
雨に当たれば運が悪い。
当たらなければ運が悪い。

通常はその程度のことですが、
この運命の分かれ目に私たちの無力さを再確認するとともに、
あるがままを受け入れるしかないという諦めのような気持ちを覚えます。

まだまだ暑いので、
秋という感じはしないのですが、
過ぎゆく夏よ去らないでおくれと思いながら過ごすと、
時々降るであろう大雨も涙雨に感じるかもしれません。
季節を楽しむとはこういうことなのかしら、、、

次回は2023年8月8日 3時23分、
秋最初の節気「立秋」に入ります。
初候、「涼風至 (すずかぜいたる)」です。