テレビの現場で知ったこと。今のYouTubeにもつながる話。
こんにちは。ハゲチャンネルのエルトン・ピンボールです。
今日も頭は絶好調にテカテカしています。
先日、ゆず狩りに行きましてね。
柚子の種って、焼酎に漬けておくと10日ほどでプルンプルンになります。
手や顔に塗るとスベスベ。自然の化粧品みたいなものです。
そんなのどかな話から入りますが、今日はちょっと重めの昔話です。
■若い頃、テレビ業界で働いていた頃のこと
今から37〜38年前。
私は読売系の制作会社で一年ほど働いていました。
野球中継や料理番組のアシスタントなど、楽しい現場もたくさんありました。
しかし、ある日を境に
「テレビの世界は、僕には向いていない」
と感じてしまう出来事が起きました。
■大阪港での“引き揚げ”取材
ある日、警察から連絡が入りました。
「車が港に落ちた。引き揚げるから撮影に来てほしい。」
現場の空気で、中に人がいることは分かっていました。
引き揚げられた車の中には、やはり亡くなった方がいました。
そこまではまだ報道の範囲だとしても、問題はその後です。
ご遺族が警察署に遺体確認に訪れます。
遺体と対面する直前の映像を撮影するのです。
ご家族が泣き崩れる。
怒り、困惑、叫び。
その瞬間、私はライトを当てる役でした。
ライトを下げたら、
後ろからカメラマンに小突かれました。
「当てろ。」
ご遺族からすれば「何撮ってんねん!」となるのは当然です。
その光景の中に自分が立っていることが、とても耐えられませんでした。
■撮った映像は何に使うのか?
帰りの車の中で、恐る恐る先輩に聞きました。
「これ…放送されるんですか?」
返ってきた答えは
「警察24時のような特番で、使う…かもしれない」
というものでした。
放送するかも分からないのに、
“視聴率が取れそうな瞬間”を日々集めておく必要があるのだそうです。
ここで私は気づきました。
こういう映像が撮られるのは、
見る側がそれを求めているからなのだ。
テレビ局だけが悪いんじゃない。
見る側の欲望もそこにある。
■その気づきは、今のYouTubeにもそのまま当てはまる
YouTubeのレコメンドは、人によってまったく違います。
暴露系や刺激的なものを見ている人には
刺激的なものばかり。
教養系を見ている人には
教養系ばかり。
娘のおすすめ画面と、
私のおすすめ画面は、
同じYouTubeとは思えないほど違います。
結局、
自分のクリックが“自分の世界”を作る。
奇抜で炎上しやすいものは伸びる。
しっとりした話は伸びにくい。
視聴率も再生数も、「見る側」が作っている世界です。
■だからこそ、自分が本当に話したいことを話す
今日の動画でも話しましたが、
私は数字優先で奇抜な方向へ行くより、
しみじみ「いいな」と思ったことを話していきたいと感じています。
ゆずローションの話から、昔のテレビの話まで、
私の頭の反射光のように雑多ですが、
心に残ったものだけを拾って話したい。
そんな気持ちで、今日のブログを書きました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう。
