自分育て

「穀雨(こくう)」初候「葭始生 (よしはじめてしょうず)」#38

2023年4月20日17時14分 、
春六番目の節気「穀雨」の
初候葭始生 (よしはじめてしょうず)になりました。

24個の節気の中の9番目「穀雨」
72個の候の中の25番目 葭始生 (よしはじめてしょうず)

※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
ご了承くださいませ。

穀雨

穀雨は、清々しい晴明から
穀物に実りをもたらす雨がしとしとと降り出す季節になりました。
各地で突然の春雷と、
時には豪雨に見舞われる事もあります。

この季節の雨は大変重要で、
穀物だけでなく、多くの果実にとってもなくてはならないです。

春分を過ぎ、夏至に向かって益々日差しが強くなり、
急激に成長しだす植物に、
穀雨の雨は潤いと栄養をもたらします。
この時期に雨が降らないと、
成長期の人間が食べ物を十分に摂らない事と同じなのです。

「穀雨」という節気は、
謂わば思春期のような繊細で大切、
とてもドラマティックな時期です。

超回復

穀雨の時期は爽やかに晴れる日もあれば、
雨の日もあり、天気は不安定です。

筋肉トレーニングをした際、
その後の回復期に順々な休息と栄養の摂取がとても重要です。
ちょうど、この「穀雨」の時期ように
晴ればかりでも雨ばかりでも成長にとって良くはなく、
バランスが取れていることがこの「超回復」の成長期を活かすことになります。

そう考えると、
穀雨は、自分自身を見つめ直し、
新しい一歩を踏み出すチャンスとなる時期です。

春のこの時期、
色んなことがスタートする時期です。
「新学期」「入学」「就職」「新しい部署」、
しかし、この自分育てのカレンダーでは、
そのような外的要因のスタートに飲み込まれないようにと
何度かお伝えしてきました。

4月に新しい環境がスタートして、
朧げに何かがはじまりそうな期待をしていても、
大体が裏切られるのです。

そうして、
理想と違ったという期待外れの気持ちが
「五月病」という沈んだ精神的病をもたらしてしまうのです。

なので、この時期こそ、
瞑想したりして自分自身を見つめ直すことが大事なのです。

ぜひ、精神的「超回復期」の時間を持ちたいですね。

二段ロケット

余談ですが、
春は色んな事が始まります。
しかし、自分育てのカレンダーをご参考にされている皆様は、
昨年の冬至前から、
様々な試みをしてきました。
全ての準備をして、
この目標で頑張りますと、少し違った高度な初詣で誓いも立てました。

彼岸を迎えて、自分の悲願はどこまで来たのか、
内省もしました。
そうして、この時期、
もし余裕があれば、目標の二毛作で、
何かスタートさせるのも一考です。

そうすると、今の勢いに乗って、
2段ロケットのように、もう一つ上の成長が見込めるかもしれません。

ここでは成功よりも、
やってきた中で、ついでに出来るかも?
という事に積極的に取り込むという形でもいいでしょう。

葭始生 (よしはじめてしょうず)

さて、穀雨の初候「葭始生」。
「葭」は、ヨシやアシと呼ばれ、
日本書記にも登場する最も古い植物の一つです。

関西では琵琶湖岸や淀川沿岸に見られます。
色んな動物のサンクチュアリとなっており、
自然のゆりかごのような場所を形成してくれる植物です。

人間にとっても大変重要で、
日除けの簾制作や、笛、筆、薬、食用としても使われたようです。

また、そうやって役に立ってきた為、
縁起物でもあり、
あしは「悪し」に通づるということで、
次第に「ヨシ」と呼ばれるようになったようです。

色んな動物にとって役に立って、
聖域を形成してくれる「ヨシ」。
天の恵みの「穀雨」の初候に
それを体現しているヨシがはじめて生ずというのは
まさに腑に落ちます。

何でもないないように見えるヨシの群生を
晴れ間、雨模様の両方の状況で見に行って、
ヨシの縁起をいただいてきたいと思います。

次回は2023年4月25日、
春六番目の節気「穀雨」の
次候 霜止出苗 (しもやみてなえいず)」です。