老後入門④|「住」は場所ではなく、生き方になる
老後入門の第四回は「住」について。
若い頃の「住」は、
まず仕事を中心に考えていました。
職場からどれだけ近いか。
通勤にどれだけ時間がかからないか。
そこに結婚や子育てが加わると、
学校や生活環境を優先して、
住む場所を選ぶようになります。
また、人によっては、
酒場やネオン街にすぐ出られる場所が、
魅力的な「住」になることもありました。
■ 若い頃の「住」は外的条件で決まる
振り返ると、
若い頃の「住」は、
ほとんどが外的な条件で決まっていました。
仕事、家族、利便性、周囲の環境。
自分の内側から湧き上がるものよりも、
外の事情に合わせて選んでいたように思います。
■ 老後の「住」は他人の影響から離れていく
しかし、老後に入ると、
それらの多くが少しずつ影響を失っていきます。
仕事の制約が薄れ、
子育ても一区切りつき、
街の賑わいへの興味も変わってくる。
そうなると、
残るのは「自分がどう在りたいか」という問いです。
■ 「住」はその人の生き方を映す
たとえば、釣りが好きであれば、
海や川の近くが心地よいでしょう。
畑仕事をしたいなら、
里山のような場所が合うかもしれません。
どこに住むかは、
何をして生きていくのかと、切り離せません。
つまり老後の「住」は、
その人の生き方そのものを映し出すものになります。
■ 他人の影響から少し距離を置く
ここで一度、立ち止まって考えてみる必要があります。
今の自分の趣味や過ごし方は、
本当に自分が望んでいるものなのか。
誰かに誘われて、
なんとなく続けているものではないか。
若い頃はそれでもよかったかもしれませんが、
老後の時間は、より限りがあります。
好きでもないことに時間やお金を使うのは、
少しもったいない気がします。
■ 人との距離も含めて考える
場合によっては、
住む場所を見直すことで、
人との距離も変わることがあります。
子どもと少し離れて暮らす選択。
あるいは、夫婦であっても、
それぞれの時間や場所を大切にする形。
もちろん、無理に離れる必要はありません。
ただ、お互いがどう過ごしたいのか、
理想を話し合っておくだけでも、
これからの時間の質は変わってきます。
■ 老後の「住」とは何か
老後の「住」とは、
単にどこに住むかという話ではなく、
どんな時間を過ごし、
どんな自分でありたいか。
その全体を含んだものだと思います。
■ 衣・食・住が揃ったとき
ここまで、衣・食・住について考えてきました。
外側を整えるものから、
内側へと変わり、
やがて、生き方そのものへと繋がっていく。
さいごに
■ 老後の「衣食住」
この三つが、
無理なく自分の中で整ってきたとき、
人は、静かに、しかし確かに、
生き生きと過ごせるのではないか。
そんなふうに感じています。
