大成功を収め、
音楽界随一のスターに上り詰めたエルトン
そのエルトンのカミングアウトのようなアルバム
リアルな人間の業や悲哀を
エルトンの歌声とバーニーの抒情的な詩が
見事にかみ合った傑作の数々
全盛期のアルバムの中で
一部評論家から最も評判の悪いようだが、
私、個人的にこのアルバムの一体感は
一番だと感じてしまいます
1曲目「The Bitch is Back」について
内面をさらけ出したアルバムの
オープニングを飾る切れ味鋭いギターサウンド
そして、主役登場!
もうアルバムでありながら
映画のようなシーンが駆け巡る
もう富も名声も得たエルトンは
誰に対しても媚びないし
容赦もしない
まるでジャイアンのようなオレオレ状態
俺ってイケてるよね!
そんな時って人生誰でもあると思うんです
青春真っ盛りという感じで若い頃を思い出す
元気になれる一曲
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/02/Caribou.png?resize=320%2C180&ssl=1)
2曲目「PINKY」について
エルトンの曲の中で一番美しい!
そう思う事が多々あります
何だろう?
詩も美しいし、メロディーも
エルトンの歌声も全てが美しい
まるでおとぎ話のような映像が頭に浮かぶ
これは架空の女性の歌のように感じるのですが
私の勝手な想像で
これはエルトンの心の女性性を表してると思うのです。
肉体的に男として生まれたとしても
魂や心には男も女もないと思うのです
しかし社会では
考え方や心の在り方にまで性別を求められがち
だから意外に男の方が純粋な乙女心を持っていて
隠しているかも、、、、
そこをすげーく深ーくバーニーが表現してくれている
エルトン作品の中でも
何故か埋もれてしまっている出色の作品
余談だがレイ・クーパーのパーカッションも最高
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/03/Caribou-2.png?resize=320%2C180&ssl=1)
3曲目「Grimsby」について
一体感が秀でたアルバムの中でも
最高にノリノリの作品
ディーの重低音のベース
ナイジェルの軽快なドラム
デイビーの小気味良いエレキギター
レイの人間技とは思えないタンバリン
素晴らしく軽快なサウンド
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/04/Caribou-3.png?resize=320%2C180&ssl=1)
4曲目「Dixie Lily」について
バーニーのオハコ
西部開拓時代の古き良き時代のワンシーン
この曲聞くと
一日ボートに揺られて琵琶湖で釣りしたくなるんですよねー
ミシガンが横切ると
「Dixie Lily」の世界観やん!
って思うのであります!
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/05/Caribou-4.png?resize=320%2C180&ssl=1)
5曲目「Solar Prestige a Gammon」について
あまりにも二人の作品の詩に
色々意味づけされて
しかもそれがトンチンカンだという事で
まるで幼稚園児が
「ウ〇コ」
「チ〇チ〇」とか言って喜んでいるような
何の脈絡もない言葉の羅列に
エルトンが曲を付けて
しかも偉そうに語っているかのように歌う
バカバカしい内容だが
これでも楽曲になってしまうという
逆にエルトンの凄まじい才能が垣間見える作品
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/04/Caribou-5.png?resize=320%2C180&ssl=1)
6曲目「You’re So Static」について
都会の女にゃ気を付けな
パイみたいに切り刻まれるぜ
食うか食われるか
ニューヨークを舞台に
社会で生き抜く男と女のサバイバルが描かれている
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/04/Caribou-6.png?resize=320%2C180&ssl=1)
7曲目「I’ve Seen the Saucers」について
エルトンとバーニーの空想的な面がとても面白い
詩人としてのバーニーの創造的世界観
エルトンの宇宙からやってきたかのようないで立ちと才能
もしかしたらUFOに乗ったり連れて行かれたりしたんかも?
これ冗談ぽく言ってるけど
ホントの話じゃない?
銀河鉄道の夜
星の王子様の世界観です
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/03/Caribou-7.png?resize=320%2C180&ssl=1)
8曲目「Stinker」について
1曲目の「The Bitch Is Back」にも通ずる作品
あぁ、本当にこの頃のエルトンはクソ野郎だったんだろうなぁ
でも、クソみたいな面は誰でも持ってるんだよなぁ
だけど普通の人はお金もないし、自立もしてないから
仕事を失わないように、
世間から孤立しないように
隠してるだけなんだよなぁ
エルトンは成功したから遠慮なしに出して
鼻つまみ男になってもお構いなし
やっぱり凄いなぁ、、、
そんな曲です笑
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/04/Caribou-8.png?resize=320%2C180&ssl=1)
9曲目「Don’t Let the Sun Go Down on Me」について
いっぱい変な面を出したエルトンですが
やっぱり生身の人間
誤解されたりして
寂しい思いもしてるんです
もう、生きて行けない!
俺を地球として考えて
もう永久に日が昇らない
僕の太陽よ
行かないで!
そんな絶望感の歌
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/02/Caribou-9.png?resize=320%2C180&ssl=1)
10曲目「Ticking」について
エルトンのトラウマは
紛れもなく家庭環境
そして母
俺は運よく音楽で成功したけど
銃乱射の犯人にだってなりえたよ
だから、世界中のご両親
子供への言動はよく考えなさいよ
引き金を引いたのは子供じゃなくて
あんたが引かせてるんだ!
そんな社会風刺の歌
![](https://i0.wp.com/www.t-uta.com/wp-content/uploads/2022/04/Caribou-10.png?resize=320%2C180&ssl=1)
さて、このアルバム
単にサウンドが良いとか売れたとかだけでなく
非常にトラウマやマイノリティに焦点が当てられているように思うのです
4曲目の「Dixie Lily」以外
ほとんどがエルトンの個性と
悩みと苦悩が題材のようにも聞こえます
2枚目のアルバム「ELTON JOHN」に通ずる作品群
売れたとかだけで判断せず
命懸けでエルトンとバーニーが作っていた事を想像して欲しいと思うのです
そして、エルトン黄金時代の終焉
次のアルバム「キャプテン・ファンタスティック」に続いていきます